貿易事務とはどんな仕事?仕事内容・必要なスキルを未経験者向けに解説
「貿易事務」と聞くと、「英語がペラペラじゃないと難しそう」「専門知識がたくさん必要そう」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、仕事内容をひとつずつ見ていくと、貿易事務は海外との商品のやり取りを、書類作成や連絡・調整で支える仕事です。
この記事では、これから貿易事務を目指す方に向けて、仕事内容や必要なスキル、未経験から始めるポイントをわかりやすく解説します。
貿易事務とは?
貿易事務とは、簡単にいうと、
日本と海外の間で商品をスムーズに届けるための事務仕事
です。
たとえば、日本の会社が海外から商品を仕入れる場合、
海外の会社 → 船・飛行機 → 日本の港・空港 → 税関での手続き → 国内の会社
というように、さまざまな会社や機関が関わります。
海外から商品を輸入したり、日本から海外へ輸出したりする際には、税関への申告や許可などの手続きも必要です。
そこで、書類の準備や輸送会社との連絡、スケジュール確認などを行い、商品が予定どおり届くようにサポートするのが貿易事務です。
貿易事務の主な仕事内容
会社によって担当範囲は異なりますが、代表的な仕事を見てみましょう。
1.貿易に必要な書類を作成・確認する
貿易では、商品を海外へ送ったり海外から受け取ったりするために、さまざまな書類を扱います。
代表的なものが、
- インボイス(Invoice):商品の内容や価格などを記載する書類
- パッキングリスト(Packing List):商品の個数や梱包内容などを記載する書類
- B/L(Bill of Lading):船で貨物を運ぶ際に使用する船荷証券
などです。
最初からすべての書類を覚える必要はありません。
まずは、
「海外との取引には、普通の国内取引よりも多くの書類が必要なんだ」
くらいに理解しておけば大丈夫です。
2.商品の輸送を手配する
書類を作るだけでなく、
- いつ商品を出荷するのか
- 船で運ぶのか、飛行機で運ぶのか
- いつ日本に到着する予定なのか
といった輸送に関する確認や調整も行います。
(商品の到着予定や船便の運行状況を把握し、関係者からの問い合わせに対応)
つまり、
商品の海外旅行をサポートする仕事
と考えるとイメージしやすいでしょう。
3.海外の取引先と連絡する
海外企業との取引では、メールなどで連絡することがあります。
たとえば、
「商品を発送しましたか?」
「書類を送ってください」
「数量はこちらで間違いありませんか?」
といった確認です。
ここで英語を使うケースがあります。
ただし、貿易事務だからといって必ずしも高度な英会話力だけが求められるわけではありません。
入職時に特定の学歴や資格は必要とされない一方、業務上の語学力が必要で、採用時に一定水準の語学力を求める企業もあるとされています。
そのため、求人を見るときは「どの程度の英語力を求めている会社なのか」を確認することが大切です。
4.通関に必要な手続きをサポートする
海外から商品を輸入したり、海外へ商品を輸出したりするときには、「通関」という手続きが関係します。
通関とは、輸出入する貨物について税関へ申告し、輸出・輸入の許可を受けるための手続きです。
税関によると、外国から貨物を輸入したり外国へ貨物を輸出したりするときは、税関へ申告して輸入・輸出の許可を受ける必要があります。
貿易事務では、そのために必要になる情報や書類を準備したり、関連する担当者とやり取りしたりすることがあります。
5.商品の納期や在庫を確認する
貿易では、商品が予定どおり到着するとは限りません。
そこで、
- 商品はいつ出発した?
- 今どこにある?
- いつ到着する?
- 在庫は足りている?といった状況を確認します。
輸入された商品の国内配送手続きや、輸出入品の在庫管理も貿易事務の仕事に含まれる場合があります。
そのため、スケジュール管理や細かい確認が得意な人にも向いている仕事です。
一日の仕事をイメージしてみよう
会社や担当業務によって異なりますが、イメージとしては次のような仕事をします。
午前
メールをチェック
↓
海外の取引先から届いた連絡を確認
↓
商品の出荷状況を確認
↓
必要な貿易書類を作成・チェック
午後
輸送会社などへ連絡
↓
到着予定日を確認
↓
営業担当者などへ状況を共有
↓
翌日の出荷予定や必要書類を確認
こうして見ると、
「ずっと英語を話している仕事」ではなく、「PCを使った事務作業+さまざまな関係者との調整」
というイメージに近い仕事です。
一般事務とは何が違う?
| 一般事務 | 貿易事務 |
|---|---|
| 国内業務が中心 | 海外との取引に関わる |
| データ入力 | 輸出入データの管理 |
| 書類作成 | 貿易書類の作成・確認 |
| 電話・メール対応 | 国内外の関係者との連絡 |
| 社内調整 | 輸送会社などとの調整 |
未経験でも貿易事務になれる?
資格や特定の学歴が必須の仕事ではありません。
そのため、未経験から目指す場合は、
- Excelなど基本的なPC操作
- メールや電話でのコミュニケーション
- 基本的な英語
- スケジュール管理
- 正確に書類を確認する力
などを身につけておくと、仕事を理解しやすくなります。
「英語が苦手だと無理?」はよくある誤解
貿易事務と聞くと、
「英語がペラペラじゃないと無理なのでは?」
と思う人もいるでしょう。
ただし、実際に求められるレベルや使用頻度は求人によって異なります。
未経験から探す場合は、求人票で
「英語力をどの程度求めているか」
「英文メール中心なのか、英会話も必要なのか」
まで確認すると、仕事を選びやすくなります。
貿易事務に向いている人
特に相性がよいのは、次のようなタイプです。
コツコツ確認するのが得意な人
商品名、金額、数量など、細かい情報を扱います。
人と連絡を取るのが苦にならない人
営業担当、取引先、輸送関係者など、複数の関係者と連携します。
スケジュール管理が得意な人
商品がいつ出発し、いつ到着するのかを確認しながら業務を進めます。
英語や海外に興味がある人
仕事を通じて海外の企業や国際物流に関わることができます。
専門性のある事務職を目指したい人
一般的な事務業務に加えて、輸出入や国際物流に関する知識を身につけていくことができます。
覚えておきたい貿易事務の基本用語
未経験者は、まず次の言葉から覚えてみましょう。
輸出
日本から海外へ商品を送ること。
輸入
海外から日本へ商品を入れること。
インボイス(Invoice)
商品の内容や価格などを記載する書類。
パッキングリスト(Packing List)
梱包内容などを記載する書類。
B/L(Bill of Lading)
船による貨物輸送で使用される船荷証券。
通関
輸出入の際、税関への申告などを行って許可を受けるための手続き。
最初から全部覚えようとするより、仕事の中で少しずつ理解していくのがおすすめです。
貿易事務は「海外と日本をつなぐ」仕事
貿易事務をひと言で表すなら、
海外と日本の間で商品がスムーズに行き来できるように支える仕事
です。
書類を作成するだけではありません。
海外の取引先、営業担当、輸送に関わる会社などと連携しながら、商品が予定どおり届けられるように調整します。
厚生労働省も、営業部門との連携、情報収集、書類作成、貨物輸送の手配などを貿易事務の仕事として紹介しています。
最初は「インボイス」「B/L」「通関」など、聞き慣れない言葉が多く、難しく感じるかもしれません。
しかし、一つひとつ仕事の流れを覚えていけば、知識を積み重ねていくことができます。
「海外に関わる仕事がしたい」
「事務職として専門知識を身につけたい」
「人を支える仕事が好き」
そんな方にとって、貿易事務は選択肢のひとつになる仕事です。
ー 北斗
採用ポータルサイト ー